在シドニー日本国総領事 小原 雅博

新年明けましておめでとうございます。
私にとっては当地で初めて迎えるお正月となりました。新年を祝う盛大な花火、そして元日の汗ばむ暑さなど、日本の新年とは異なる雰囲気の中で気持ちを新たにしているところです。
ご承知の通り、日豪関係は、半世紀に亘る友好の歴史と緊密な経済貿易関係を基礎として良好な関係を維持し、発展させてきています。
昨年11月には、前原外務大臣が就任後最初の二国間関係での訪問国として豪州を訪れ、豪州政府指導者との間で経済関係を一層強化していくことで合意しました。また、その翌月には、伴野外務副大臣と松下経済産業副大臣が来豪し、資源やインフラの分野で協力を具体的に推し進めるべく、豪州側に、特に州レベルで積極的に働きかけました。
日本は、人口減少や少子高齢化といった構造的問題から、円高やデフレといった経済的問題まで多くの難題を抱えていますが、現在の危機を乗り越えることによって新たな発展の可能性が切り開かれるものと信じます。「平成の開国」を実現し、力強く発展する比較的若い国家である豪州との間で、経済相互補完関係を基礎とする幅広い協力関係を発展させていくことが日本の再生にも資するものと信じます。日本が経済的、社会的に厳しい状況に直面している時だからこそ皆様と力を合わせ、日本にとって重要な豪州との関係を強化すべく一層の努力を払いたいとの思いを強くしていますので、何卒宜しく御願い致します。
また、当館としては、シドニーに在住されている邦人の皆様が安全に新しい年を過ごされることを願っており、適時適切な情報提供や効果的な邦人援護の実施に努めて参る所存です。当館は、万一の際の邦人の皆様方の安全確認や援護という重要な業務を担っていますが、その遂行のためには、当館への在留届を通じた所在に係わる基本情報と、日本クラブを始めとする諸団体の御協力が欠かせません。つきましては、在留届未提出の方はもとより、住所変更等があった方についても、その都度御連絡頂ければ幸いです。
総領事館としては、館員一人一人が皆様方にとって身近でお役に立てる存在となれるよう今年も引き続き努力してまいりますので、何卒宜しく御願い致します。
最後に、新しい年がシドニー日本クラブの皆様にとって、また、日豪関係にとっても、今年の干支である兎の如く、飛躍の年となりますことを願いつつ、私の年初の御挨拶とさせて頂きます。

シドニー日本クラブ会長 チョーカー和子


皆さん、明けましておめでとうございます。
会員の皆様におかれましては健康で平和な新年をお迎えになられたことを願います。2011年は卯の年ということでうさぎの形をした飾り物などウエブサイト上でも目に付きました。またうさぎ年の人はしとやかで上品な性格ということですが、皆様の中で卯年の方は何人くらいいらっしゃるのでしょうか。
さて、盛りだくさんのイベントを開催し、忙しく過ぎて行った2010年を振り返り、改めて理事および会員の皆様のボランティア活動がこのような素晴らしい成果を挙げたのだと深く感謝の念を持ちました。
JCSは今年2011年も会員の皆様の役に立ち、そのうえ楽しい数々のイベントやセミナーの開催を予定しています。まず、年初めのイベントとして1月26日のオーストラリア・デーには、有志の方々が浴衣など日本の伝統的な衣装で参加し、シドニーにおける日系コミュニティの存在をアピールします。また毎年2月に開催していた夏祭りは名称を変え、「日本の祭り」として10月にダーリングハーバーにて開催、3月には恒例のクリーンアップ・オーストラリアなど、今年も各種イベントを企画、開催していきますので、会員の皆様のたくさんのご参加をお願いします。
世界でも歴史の浅い継承日本語教育、その分野で現場の教育活動を実践しているJCS日本語学校の先生方、保護者の皆さん方は、実際の教育活動はもちろんのこと、その啓蒙活動としてセミナーやフォーラムを開催し、広く理解を広める努力を怠りません。今年も会員子弟の継承日本語教育に励む3校のJCS日本語学校も新入生を迎えて新学期が始まります。ノーザンビーチ校は今年から生徒たちの通学に便利なようにWakehurst Publicに移転し、さらに充実した継承日本語教育を継続していきます。
また、ますます増加する日系人の数に比例するように、これまでなかったような問題も増え、福祉活動充実の必要性が拡大するなか、コミュニティ・ネットの福祉活動はいよいよ軌道に乗って、皆様の期待に沿うようこれからも更なる前進と活動をつづけていきます。
JCSは毎年拡大する日系人コミュニティのために必要な情報発信、イベントやセミナーの企画・開催、継承日本語教育活動、福祉活動をますます充実させて参ります。皆様の健康を祈って、新年の挨拶とさせていただきます。
雪の降り続くアルフレッド、ニューヨーク州から