8月20日夜7時半よりシドニーコングレスホールにて、シドニー日本クラブ主催、(財)地球環境センター協賛、在シドニー日本総領事館、シドニー日本人会、および国際交流基金シドニー日本文化センターの後援により、国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんのチャリティーコンサートが行われました。


久しぶりに懐かしい日本人の歌手による日本の歌を聴くことを楽しみに集まった600名を超える善男善女で、ホールは2階席まで満席となりました。
サンディー・エヴァンスさんのサックスとマシュー・ドイルさんのディジュリドゥーで静かに迎えたオープニング。太古からの楽器ディジュリドゥーと都会的なサックスの音色のコントラスト、そこに加藤さんの歌声が絡まると、オーストラリアの大地の響きのようなディジュリドゥーに重なるサックスと加藤さんの声が、大地の上を吹きすぎる風のように聴こえる不思議なハーモニーでした。
地球の環境を守るため一人一人が生活を変えていこうという思いを込めて作った「Now is the time」、そして数々の有名な持ち歌(この空を飛べたら、知床旅情、ひとり寝の子守唄、など)、亡くしたご主人への追憶をこめて作った「檸檬」、歌謡曲やシャンソンの名曲のカヴァー(島唄、尾崎豊の‘I love you’、エディット・ピアフの‘愛の賛歌’など)。一曲一曲の歌の持つ意味を、優しく深いアルトで(そのうち数曲はギターの弾き語りで)じっくりと聴かせてくれました。加藤登紀子さんご自身の豊かな人生経験と、人間や地球に対する深い愛情がひしひしと伝わってきて、心のこもった歌の持つ、人間の感受性に訴える強い力を感じました。
歌の合間の聴衆への語りの中で、今回訪れたオーストラリアのグレート・バリア・リーフやレインフォーレストの素晴らしさ、また人との温かい交流を心から楽しんだことを伝えてくれた加藤登紀子さん。シドニーに来てこの街と人々に触れあえたことを、JCSの会員へのメッセージとして残してくださいました。

「美しい海が生活のすぐそばにあるってほんとうに素晴らしいなあ!
生活することを最大限に楽しめる街のつくり方にも感動でした。
私の二度目のシドニーコンサートも「シドニー日本クラブ」の皆様の
精一杯のお力添えで無事終わり、感無量です。
MatthewとSandyとの共演も印象深いものになりました。
ほんとうにありがとうございました。
二度あることは三度ある!再会出来る日を楽しみにしています。
加藤登紀子」

 また、コンサートの実行委員として企画運営に携わったJCS理事会役員およびお手伝いの方々には、「今回は本当に良かった、実行委員の皆さん・ミュージシャン・現場スタッフはみんな素晴らしい方々よ」との嬉しいお言葉もいただきました。本当にまたシドニーでのコンサートが実現するといいですね!
なお、このコンサートは、国連環境計画親善大使である加藤登紀子さんが、環境へのメッセージを伝えるためのコンサートして無料で開催されましたが、入り口では募金箱を設け、聴衆のみなさんからの寄付を募りました。多くの企業や個人の方々に多大なご協力をいただき、寄付金の合計は9,000ドル近くに上りました。Clean Up AustraliaとPlanet Arkの環境保護団体への寄付金に充てさせていただきます。ありがとうございました。